医療用として普及しているCTですが、近年歯科医療の分野でも幅広く活用されています。
しかし、歯科医院における一般的なレントゲン撮影機 (2次元、平面)の普及率がほぼ100%なのに対し、歯科用CT (3次元、立体画像)の普及率は20〜30%にとどまっています。
近年では歯科用CTによる診断が一部で保険診療として導入されるなど、その有用性は益々大きくなっています。
歯科用CTでは歯1本単位の小さな範囲で撮影が可能なため、通常のレントゲン撮影では診断が困難な症例も、CTの三次元の画像からより正確な診断が可能となります。
また、インプラントの処置の際はCT画像から得られた情報をもとに、サージカルガイドといわれる器具を作製することでより「安全に」「正確に」オペを行うことが可能です。
歯科用CTによる正確な診断とそれに基づく精密な治療が、より多くの患者さんの助けになればと思います。
歯科用CTの被曝量
レントゲン撮影については放射線被曝の心配をされている方も多いと思います。
しかしながら、現在、最新の歯科用CTの被曝量は医科用CTの10分の1ともいわれており、安全性は高いと言えます。
ご存じない方も多いと思いますが、皆さんは普段生活される中でもごく自然に放射線を浴びています。例えば、日本で1年間生活すると歯科用CTの約15回分、飛行機に乗り日本→ニューヨークに往復で旅行すると歯科用CTの約2回分の放射線を浴びるといわれています。
CT撮影は診断や治療において今まで診る事が出来なかった情報が得られるため大変有用です。
しかし、当院では何に対してもCT撮影を行うのではなく本当に必要な時に患者様に同意を得てから必要最低限の被曝で、かつ必要な部位にのみ撮影を行うことを心掛けておりますので安心していただければと思っております。